希望の未来へ

会長 米井 裕一 

金沢ロータリークラブ創設は1935年4月17日。今年度90周年を迎えます。長い年月を経て、多くの会員により現在のクラブが形作られてきました。「ロータリーの目的」「4つのテスト」に基づく行動基準のもと地域へ多くの貢献をしてきたと自負しても良いと思います。
歴史と伝統ある我がクラブも、1年1年の積み重ねで大きく成長してきました。どの年度も意義深く価値ある1年であったと思います。しかし、今年度は、大きな意味を持つ1年になるのではないでしょうか。それは周年の年であるからだけではありません。

1月1日の令和6年能登半島地震は、石川県において未曾有の大災害であり、被害の大きさから考えても復興への道のりは平坦なものではないと思います。しかし、このような状況でも「何とかして頑張らねば」という声も少なからず聞こえてきます。どんな困難な状況も時間をかけて一歩一歩進めば、見える景色も変わってきます。踏み出す一歩はとても重いかもしれませんが、その一歩を後押しするのは、未来へ向けて希望を持ちつづけることであり、それは、能登の人たちのみならず、私たち自身が希望の未来を強く描き続けることだと思います。

「楽しくなければロータリーじゃない」とはよく言われていますが、ここでの「楽しい」は、「enjoy」という言葉が当てはまるのではないでしょうか。
この言葉の語源はen=つくる joy=喜びであるとのこと。
奉仕活動を基本とする私たちにとって、ともにつくりあげる喜びを分かち合えるなら、ロータリーを通して見えてくるものも変わってくると思います。そして、「早く行くなら一人で行け。遠くへ行くなら仲間と行け。」との言葉の通り、目指すところに辿り着くには、仲間が沢山いたほうが心強いし、楽しいはずです。もちろん、簡単に答えは見つからないかも知れませんし、生みの苦しみもあるかも知れませんが、どうせやるなら、明るく楽し気にやりませんか。

希望には前向きな姿勢が必要です。そこには力強さと、粘り強さ、それを支える明るい気持ちが大切であると思います。我々の姿勢そのものが、若い世代へ向けてのメッセージになることを信じて、未来の金沢に思いを馳せながら「希望の未来」を描きましょう。