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復興支援リレー随想
災害派遣精神医療チーム(DPAT)での活動にあたって
医療法人財団 医王会 医王ケ丘病院
理事長 岡 宏

1月1日16時発災。私は石川県の統括という立場で、2日の14時に能登総合病院に先遣隊として入り、活動拠点本部を立ち上げた。現地の精神科ニーズの情報収集を行い、広域派遣(県外からの支援要請)を決定した。当初は珠洲、輪島への陸路は険しく、自衛隊先導で入るが七尾から片道6時間以上と過酷を極めた。時には車中泊となることも。凍てつく寒さが容赦なく襲いかかる。県外隊の応援が何よりも嬉しかったし頼りになった。過酷な任務も文句ひとつ言わずこなしてくれた。北海道から沖縄まで、2月13日まで92隊のDPATが活動。ただただ感謝しかない。1月10日には輪島、珠洲、能登町に指揮所を立ち上げ、避難所巡回、緊急搬送などを行った。1月18日をピークに緊急案件は減っていったが、長引く避難所生活でのストレスによる不眠、うつ、不安、疲弊した支援者(医療者、役所職員など)の支援といったニーズが増えていった。現在はフェーズが代わり、地元の医療福祉に役割を戻していく時期。しかしながら、ニュースにもあるように奥能登からの医療者離れの報が後を絶たない状況。家が全壊、子供が金沢に避難など、そこには様々な理由があるが元には戻らない。たとえ仮設を作り、避難所から地元に帰ったとて、もうそこには自分の家はない。現実に晒された時に人は何を思うのか。ただ人を戻すだけではなく、若い人や仕事を呼び込み、暮らしやすい活気ある町を作る事が命題ではないか。3月末にDPATは引き、石川県こころのケアセンターが立ち上がる。①相談部門(被災者、支援者のための臨床心理士による電話相談)、② 各関係機関との調整部門(DPATからのの引き継ぎ業務)、③こどもの心のケア部門の三本柱。これからも支援は続きます。どうぞ今後も皆さまご注目下さい。

ロータリーの友情に感謝「仙台RC来訪」

2月26日、仙台RC棚橋会長、石井幹事、西條S.A.A.長の3名が松崎会長と面談するため、金沢での滞在時間2時間あまりという強行日程でお越しになりました。当クラブは松崎会長のほか、松本パスト会長(パストガバナー)、米井会長エレクト、塩谷幹事、吉田副幹事が面談に同席いたしました。今回の仙台RC来訪の目的は、能登半島地震のお見舞ならびに義援金贈呈、そして、東日本大震災の際に仙台RCがどのような活動を行ったのか情報を提供したいというものでした。松崎会長から「仙台RCのご厚情に感謝します」と謝辞を述べられると、棚橋会長から「東日本大震災当時のご支援の恩返しという気持ちがあります。また、東日本大震災の復興に尽力した2520地区菅原パストガバナー(2011−2012年度、仙台RC)も大変気にかけておられます」とのお言葉をいただきました。仙台RCに対する当クラブの友情が13年の時を経て「お返し」されたことに、両クラブの友情の歴史の重みを感じました。

(記 吉田 克也)