ブラタモリ番外編(?)別府の旅
株式会社NTTドコモ
執行役員北陸支社長
川﨑 博子

 NHK 番組の『ブラタモリ』を楽しみにしている人も多いと思いますが、そこで紹介された内容に魅せられて、日本一の湧出量を誇る温泉地の別府に行ってきました。

別府駅に到着して、まず目に入ってくるのは『油屋熊八』氏の銅像です。明治の時代に米相場で巨万の富を築いたり、一文無しになって渡米したりと波乱万丈の人生を歩んでいますが、アメリカから帰国し、別府観光の基礎を築き、子供たちにも愛された人だそうです。びっくりするのは、この銅像の熊八さんは、マントを羽織り、しかもこのマントには子供(子鬼だそうです!)が二人もぶら下がっています。さらに、今年ワールドカップラグビーの試合が大分でも開催されるので、盛り上げるためにラグビーユニフォームを着ています。とても愉快な人だったのでしょう。ちなみに「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」のキャッチコピーは油屋熊八さん作だそうで、地元では油屋さんが創設した会社が複数残っています。

湯煙があちこちで上がっている別府では、生活と温泉が密着しています。町の公民館には温泉が併設されていて、なんと100 円で温泉が楽しめます。町内の方々が、夕方から洗面器片手に家族で公民館の温泉を楽しむ姿は、別府ならでは。公民館の前には、足湯ならぬ手湯もあります。また、市民が食材を持ち込んで温泉の蒸気を利用して調理する地獄蒸し調理ができる、市営の施設もあります。町の市場で、下処理された新鮮な海鮮を持って、キャンプ地でバーベキューするような感覚で、地獄蒸しに家族で出かけています。

石川県の観光客の1/3 も訪れない別府ですが、外国人の人気は非常に高いようで石川を上回る外国人観光客が訪れるようです。日本では、かつて人気の観光地のひとつの印象が強い別府ですが、外国人人気によって、また盛り上がるかもしれません。温泉の魅力が生活と密着した別府に機会があればぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。