春になるたびに思うこと
㈱横山商会
代表取締役社長
横山信太郎

 春は出会いと別れの季節。金沢RC においても転勤族の方が割と多く、この時期が来るたびに、せっかく仲良くなれた方々、金沢の文化を好きになっていただけた方々との別れがあり、もの悲しくなる。しかし、新しい方が加わり続けることにより絶えず活性化を繰り返すので、淋しい気持ちになる反面、新鮮味も失わずにいられる面もある様に思う。
私は四季の中では春が一番好きである。長く厳しい冬を乗り切って迎える心地よい暖かさ、桜の開花を皮切りに花々が咲き始めるのを見ると、純粋に心うきうきし、さあ自分も何かを始めるぞ、と思ってしまう。スポーツを本格的に始めたり、旅行の計画をあれこれ立ててみたり。
もちろん仕事においても、横山商会の創業が大正10 年3月19 日、年度のスタートが3月21 日ということもあり、新年度に対する意識も最高に高くなる。と同時に、創業家の物語を思い出し、感謝の念を深める機会にもなっている。以前、当家は別家の分家という話をさせていただいた。別家を立てた高祖父・横山隆興の四男・登が創業したのであるが、隆興の経営した尾小屋鉱山あっての横山商会なので、そのことを忘れないために、感謝の気持ちを新たにする。
「文化都市金沢と横山隆興」という題目で昨年2月に金沢西RC 会員の辻卓氏のなされた卓話をネットで偶然拝見し、痛く感動した。詳しくは金沢西RC さんのホームページをぜひご覧いただきたいと思うが、昔ながらの文化が色濃く残っているという金沢の魅力の大恩人が横山隆興その人であるというお話で、私自身は当家や会社の恩人という目線で考えていたが、もっと高い視点で見ていただけている方もいらっしゃるということを知り、改めて高祖父に対しての尊敬の念を深めさせていただいた。