いしかわの情趣~昭和30年代の風景~
大友楼 第6代当主 大友 圭堂氏が昭和30年代にNHKラジオにて当時の北陸での四季折々の
楽しみ方を語りました。その原稿をピックアップして皆様にご紹介いたします。

雪いろいろ
昭和33年1月25日
NHKラジオにて 大友

 昔も今も、雪がウンと降ると一番困るのは食料の問題で、即野菜が手に入らなくなる。それで雪の来る前には、自分の家の近い所に浅い穴を掘って、藁灰を敷いて野菜を入れて、その上から土をかむせ、藁をのせて、何時でも出せるように食生活の用意をするのであります。今一つ良い習慣は、漬物の工夫やぬか漬け等の貯蔵食の工夫が盛んになっておることでしょう。自然の雪が、万事何事も用心深く、そして勤勉な気風を育てて、雪国気風を作っていくので有りましょう。
冬が来ると一番知りたいのは、今年は大雪かどうかということになりますが、昔の科学として注意したいのは、加賀藩の侍遠藤高