いしかわの情趣~昭和30年代の風景~
大友楼 第6代当主 大友 圭堂氏が昭和30年代にNHKラジオにて当時の北陸での四季折々の楽しみ方を語りました。その原稿をピックアップして皆様にご紹介いたします。

秋の味覚
昭和35年9月20日
NHKラジオにて 大友

 秋になると食欲が盛んになって昔から「天高く馬肥ゆる秋」といったくらい身体も肥えます。食欲と切ってもきれない「味わい」というものを痛切に感じるこんな季節は他の季節にはないでしょう。
爽やかな秋風とともに「酒の味」つまり日本酒の芳醇さは夏には味わえない良さを持ってきます。これが秋の味覚を引き立ててくれます。
この酒とうまさが良く合う秋の味覚の一つに海老があります。富山湾の氷見、放生津あたりに盛んにとれる甘海老(赤海老ともいう)のうまさは格別です。出来れば海から上がったところを皮をむいて生醤油で食べれば申し分ないのです。
蟹はこれからうまいですな。蟹といえば年々とれなくなっています。年によって多少違うが香箱蟹は二月十六日から十一月十五日まで、ズワイ蟹は毎年四月一日から十一月中旬まで捕らないことになっています。蟹は厳しく言えば冬の味でしょうが、初物の蟹は秋の味です。
加賀や能登方面に秋祭りの時に主に「しいら」の寿しを各家で作って家族や近所に分ける古い習慣があります。これが庶民一般の秋の味覚といえるものではないでしょうか。これを「お祭り寿し」と呼んでいます。
加賀一の宮の白山比咩神社と能登国一宮気多大社に「オニエ祭り」という祭りがあります。津々浦々の漁村が大漁を神に祈って海や川で捕れた魚の一番大きな見事な品を神様に捧げます。この祭りが終わりますと、おさがりをいただいて村に帰り「押し寿し」という最も古い姿の本当の寿しを作るのであります。押し寿しの正しい名は「オニエ寿し」です。「オニエ寿し」が今でいう「お祭り寿し」の起源であります。
秋は「小いわし」です。栄養価も満点です。小いわしが来るともう秋がきたなーと思うくらいです。お汁にしてワカメやオカラと一緒にしてもよく合いますし、本当に庶民的なうまさがあると思います。この小いわしを海岸で捕れたまま秋風にあて干したのが、お正月になるとご膳にのる「田作り」、つまりこの地方の「カイキ」という干し物です。カリッとした歯触りと噛みしめるとどんどん味が出てくるうまみを持っております。
「秋かます」これは昔からうまいと決まっている位のもので「嫁に食わすな秋かます」というくらいのものです。
サンマという変わったものがこの二年前ぐらいから内浦方面で捕れ出しました。肥えたサンマが三陸地方に負けないぐらいよいものが捕れだして新しい秋の味覚になってきたわけであります。
山の方で何かうまいものはないのか。昔から山の第一の味は栗と言われています。栗は大粒より小粒の「芝栗」がより甘みが多い。贅沢を言えば芝栗の栗きんとんで抹茶をいただくと全く秋の味です。菓子とすれば最上ではないでしょうか。
それから秋山では香りのよい松茸です。若狭も有名だし奥能登の松茸や七尾湾中島の松茸、加賀の山代方面の松茸は秋の行楽に一番よいところでしょう。
山代方面といえば石川と福井の県境に片野という池があってここは鴨の本場です。これは晩秋の味覚の王座でこの池の鴨の肉の豊満なことは実に見事なものです。
ちょうど秋の観光にはよい季節でありますからご旅行のところどころで十分秋の味を満喫していただくのがよいのではないでしょうか。

 

IAC 活動報告
遊学館高校IAC
安澤あかね(3年部長)・本田 真悠(2年部長)

 インターアクト部です。いつもご支援いただきありがとうございます。
最近の活動について、報告します。8月1日~3日にかけて、広島県廿日市市で行われた、全国高等学校総合文化祭(ひろしま総文)に石川県代表として安澤(3年)、髙田(3年)が参加しました。全国からのボランティア関係の高校生と交流しながら、1日目は各学校の発表を聞き、2日目には厳島神社のある宮島でのボランティアについてグループワークをしました。3日目にはグループワークの結果を発表しました。また、しゃもじ作りやもみじまんじゅう作りの体験もしました。他校の生徒との交流ができてとても勉強になりました。
9月25 日には、金沢ローターアクトクラブの方々と共に、金沢春日ケアセンターで行われたふれあい文化祭に参加しました。焼きそばと豚汁、焼きうどんの販売をしました。お客さんが喜んでいたのを見て、嬉しくなりました。
10 月からは、学校周辺で赤い羽根共同募金を行います。主な活動場所は、MRO の前や中警察署の前です。
10 月23 日には、金沢マラソンのボランティアを行う予定です。場所は、賢坂辻から兼六園下までの区間です。頑張りたいと思います。
これからも活動を増やし、社会奉仕と国際交流に積極的に取り組んでいきたいと思います。

 

派遣交換学生月例報告 11 月分
交換学生氏名 中村 陶子
(アメリカ)タラハシRC

○健康状態
特に問題ありません。元気に過ごしています。

○通学・勉学状況
今までは登下校は友達に送ってもらっていましたが、ホストシスターが運転するようになったので彼女の車で学校に通っています。朝は6時45 分くらいに家を出るようになりました。最近は学校に行くことが楽しみになってきました。授業は変わらず難しいですし、宿題なども順調とはとても言えない状態ですが、ただ友達が増えました。今は、いくつかの授業、ではなく、1限目から6限目まで全ての授業にそれぞれ友達がいます。移動中に廊下ですれ違った時にハイタッチをしてくれたり、声をかけてくれたり、小さなことですが私にとっては本当に嬉しいことです。アメリカ史の授業では初めてのグループ活動がありました。こちらで学ぶアメリカ史は日本の高校で習うものよりもはるかに深いところまで掘り下げた内容で、最も苦労している授業の一つです。授業中に先生が私たちに質問を投げかけるとたくさんの生徒が、ああじゃないか、こうじゃないか、と発言します。みんなが積極的で日本とは違う授業風景です。グループ活動を通して、初めてプリントを授業内に仕上げることができました。それまで授業プリントを時間内に仕上げられたことはなく、ファイルにはたくさんの未完成プリントが溜まってしまっていました。グループの生徒は、どこがわからない?とか、この問題は…、と私が理解できるように一つ一つ解説してくれました。まだ友達同士の早い会話には上手に入っていけませんが、周りの助けがいかに嬉しいことか、ありがたいことか、よく実感します。10 月7日には初めてクロスカントリーの大会に出場しました。走ることは辛くてあまり好きではありませんが、チームとして応援したりしてもらったり、話したことのなかった人からでも声をかけてもらえたり、スポーツは凄いなと思いました。何かの集団にいるとき、そういった嬉しい発見もあり、また同時に私の英語やコミュニケーション能力はまだまだなんだなとも感じます。10 月でクロスカントリーのメインシーズンが終わりました。練習はまだあるので行けるときに通っています。

○家庭生活に関して
家族や友達が私の誕生日を祝ってくれました。家族からのプレゼントに「木」がありました。10 月に花を咲かせる木で、家の庭に植えました。私がこの家を去ってからも私の木を見たらいつでも思い出せる、と言われました。本当に素敵な家族に恵まれたなと思います。家庭生活に特に不満や問題はありません。一つだけ困っているのは、交通手段が車に限られていることです。バスはあるのですが、金沢ほど機能しておらず、また歩いて行ける距離にお店などはなく、私一人ではどこにも行けません。

○ロータリーなどの行事参加に関して
10 月12 日(祝日)にホストロータリークラブの例会に行きました。短めの挨拶をして、それから金沢ロータリークラブからお預かりしたバナーと、タラハシーロータリークラブのバナーを交換しました。

○見学、旅行
友達と町で開催されたAsian Festival、Halloween howl(お化け屋敷のようなところです)に行きました。日本のコーナーには折り紙や相撲、歌舞伎などのグッズがありました。浴衣を着て「ワッショイ!」とかけ声をかけながら御神輿を運んでいる人たちもいました。家族がFSU(Florida State University) のフットボールの試合観戦、Destin, FortWaiton Beach(どちらも家から車で2時間半ほどのところにあるビーチです)に連れて行ってくれました。ビーチでは2泊しました。砂浜で昼寝をしたりゲームをしたり、砂でお城を作ったり、海に入ったりして過ごしました。いつも時間に追われて過ごしていますが、時間も宿題も忘れてゆっくりでき、とても良い気分転換になりました。今家族や友達の間では大統領選挙が大きな話題です。ホストファザーとシスターが投票に行くのに私を連れて行ってくれました。たくさんの貴重な体験をさせてもらって家族には本当に感謝しています。

○感想、新たに発見したことなど
初めてアメリカでハロウィンを過ごしました。家の模様替えをしたり、ケーキやクッキーを焼いたり、かぼちゃに顔を掘ったりしました。31 日当日には猫の仮装をして学校に行き、夜には友達とたくさんの家を訪ねてTrick or Treating をしました。今までハロウィンの意味や発祥について何も知らず、考えたこともありませんでしたが、いろいろな出来事や人々の考え方が関わっていたことを知りました。Thanksgiving やChristmas が楽しみです。