金沢の美・技・偉人を訪ねて
美術館・博物館シリーズ No.22
金沢市立中村記念美術館

 市街の中心にありながら、本多の森の緑に囲まれ小立野台から流れる辰巳用水の水音が響く自然環境の中で、茶道と美術に親しむ憩いの場として、多くの皆様に好評の美術館です。
中村酒造株式会社先々代社長 中村栄俊氏(1908 ~1978)が「美術品は一個人のものではなく国民の宝である」という信念のもとに、長年収集された美術品を提供して、昭和40 年財団法人中村記念館を設立、昭和初期の住宅を現在地に移築、改装し、昭和41 年5 月に開館されたのがはじまりです。
その後、昭和50 年7月金沢市が寄贈を受け、金沢市立中村記念美術館として再発足、平成元年11 月市制百周年を記念して建築した新館に移転し現在に至っています。新館完成に伴い、旧館は内部を改装し「旧中村邸」と名付け、別棟の茶室「梅庵」と共に茶会、展示会などに利用されています。
中村栄俊氏が個人で収集した茶道美術の名品に関して、「多くの人が共有するべきでいずれか公共の場に」という考えで、財団法人設立の寄付行為の中にもいずれか寄付をする旨の文言を入れられていたという事ですが、金沢市への寄贈に際し長い間、愛着のある名品を手放してしまう事への葛藤があったというお話もありました。
全国的に、茶道具名品の美術館という事で知られており、中村栄俊氏収集の茶道美術の名品約120 点を中心に書、絵画、古九谷、加賀蒔絵、加賀象嵌など幅広く収蔵し、現在は約1,000 点を所蔵しています。収集品の中で、藩主の前田家より横山家、本多家がそれぞれ譲り受けた濃茶の茶入れを、両家が戦後に手放さざるを得なくなった際に「地元のものを加賀の地より流出させたくない」との思いで、中村栄俊氏が譲り受けたというエピソードもございました。
現在、開館50 周年記念特別展Ⅱとして「中村コレクション名品展─茶道具編─」が6月12 日(日)まで開催されております。残り僅かな期間ですが、信念のこもった美術品を記念の年にご鑑賞いただければと思います。

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《開館情報》
所在地:〒920-0964 石川県金沢市本多町3-2-29
TEL:076-221-0751
開館時間:午前9時30分~午後5時まで(ただし受付は午後4時30分まで)
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)
入場料:一般 300 円、団体(20 名以上) 250 円、65歳以上・障害者手帳をお持ちの方およびその介護人 200 円(祝日無料)、高校生以下 無料、茶菓券 200 円・300 円
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(記 浜上 洋之)

 

ニコニコ委員会 夜間例会

 5月25 日(水)、金沢ニューグランドホテル パラッツオにて瀬戸年度最後の夜間例会が実施されました。今回は日本独自に発展をしたマジック、国の無形文化財に指定をされている「手妻」の若手第一人者「藤山大樹」氏を迎えての夜間例会となりました。「手妻」とは「手を稲妻の如く素早く動かす」に由来するといわれ、文化文政期時代に隆盛を極め、歌舞伎にも引けを取らない豪華絢爛な音曲と人気を博しました。
ニコニコ委員会鳥越副委員長の進行の下、瀬戸会長の乾杯のご挨拶でスタート。ニューグランドホテルの自信作のコース料理とワインに舌鼓を打ち堪能しつつ、見慣れた西洋マジックとは明らかに異なる和の所作、舞踏の要素、古典の決まり事を守る「手妻」の鑑賞です。
和傘を使った技からの七変化、こよりを使った柱抜き、風呂敷上のポン菓子つくり、紙芸の連理の曲、最後は飲み込んだ針への糸通しと目を離すと、前後がつながらない状況で食事もままならない30 分間でした。
和気あいあいの歓談の後、最後に笹井ニコニコ委員長の締めのご挨拶、一丁締めで今年度最後の夜間例会も閉会となりました。
お陰様をもちまして、ニコニコボックスの目標であった350 万円も、皆様のご協力があり何とか達成できました。本当にありがとうございました。

(記 岡田 彰洋)

 

鎌倉RC 創立55 周年記念例会

 5 月17 日、鎌倉大仏殿高徳院において、鎌倉RC 創立55 周年の記念例会が開催されました。友好クラブという事で当クラブから、笹井錬造友好委員長と幹事の村本道廣が出席して来ました。
会場の高徳院は住職がメンバーであるとのことで、例会・懇親会場を出るとすぐ横には大仏様が鎮座していているという鎌倉らしい会場設営でした。記念例会は13 時からはじまり、竹村葵会長から55 周年を迎え一層の連帯感を持って活動して行きたいとのご挨拶があり15 分ほどで記念例会は終了しました。
引続き同じ会場で鎌倉RC のメンバーでパストガバナーでもある菅原光志さんによる乾杯の発声で懇親会が始まりました。懇親会では三古都友好クラブである京都RC 山下尚治幹事、奈良RCの安田勝彦会長のお祝いのご挨拶がありました。その後、金沢RC の村本から39 年前の友好締結時の会報の話題を盛り込みお祝いの言葉を申し上げました。和室の趣のある会場でアトラクションとしてJAZZ の演奏が行われ、懇親会は15 時過ぎにお開きとなりました。
当日は、少し雨模様でしたが却ってしっくりと落ち着いた鎌倉で、鶴岡八幡宮に参詣し、鎌倉饅頭をお土産に、鎌倉を満喫して二人で帰路につきました。

(記 村本 道廣)

 

世界の名作家具 vol.5 カッシーナ社:マラルンガ 3人掛

 イタリアの建築家ヴィコ・マジストレッティによるソファの最高傑作のひとつです。1973年の発表当時は木枠が当たり前だったソファの内部構造に、モールドウレタンフォームを初めて採用し、ソファの常識を打ち破った革新的な作品です。またシートごとに背もたれがハイバック・ローバックに変更できる機能と、美しい多面的なデザインが最大の特徴です。発売以来のベストセラーで、あらゆる環境・条件の空間にも調和し、素晴らしい座り心地をもたらすソファです。
ニューヨーク近代美術館所蔵作品(¥880,000~)