私の読書法
日本電気株式会社
北陸支社長
大江 括久

 歳のせいか、朝早くに目覚めてしまいます。せっかくなので「朝活でもやるか…」と、思いたったのが数年前のこと。朝の7時過ぎには、会社の近くである武蔵ヶ辻のカフェにポツンと座っています。そこで、仕事の段取りを考えたり、本を読んだりしているのです。
さて、普段読み慣れているジャンルの本は、どちらかというと速読法で読んでいますが、しっかりと覚えたいというときには、“教科書として読む”ことを心がけています。本に書いてあるテンプレートや手法を使って、実際に自分の仕事を分析し、ノートに書き出したり、一人で微笑んだりしています。さらには、まるで試験勉強のように、その本の要約を作ってみたりもします。
まれに、部下をつかまえて、その要約本を元に講義をしてみたりもします。多くの本は、読んでから日が経つと、その内容を忘れてしまうものですが、この方法だと結構頭の中に残ります。図書館で借りてくることが多いのですが、教科書として読んだ本は、読んだ後に買いたくなります。「読んだから要らない。」ではなく、「読んだから欲しくなった!」なのです。
こうして、本当に自分に役に立つ本だけを、コレクションすることができるのだと思うのです。教科書は学校で与えられるものと考えていると、全ての本を“単なる読書”として読んでしまいかねません。
教科書はどこにでも存在しているという考え方が、とても大切だと思うのです。これが、私の“教科書として読む”の心です。

 

ワインあれこれ(第6回)
―「アタリ年のワイン」は、やっぱりいいのか?―

 “ワインとは葡萄の果実の出来がすべて”と生産者がいう通り、果実自体の出来がワインの味に大きく影響します。(ワインという液体にその姿を変えても重要性は変わりません。)俗に云う“当たり年”とは、ベースとなる農作物(ブドウ)が“健全に育った年”と言い換えることができます。
その“健全”とは、日照・気温・雨などにより決まります。評論家がいう当たり年の「多く」は、大器晩成型。美味しく飲める迄に長時間を必要とします。
でも、その飲み頃に至った味わいは感動モノ。保管の問題もあるので、記念年などで購入されるのに向いています。ただ、様々な地域や品種がある為、購入時に飲み頃を確認されると良いと思います。
ただご留意頂きたいのは、評論家が低い点数をつける年こそ、お買得なのにすぐ飲んでバランスよく美味しいものが多いという事です。どうぞ売場で購入する際またはレストランで注文する時には、予算を伝えるのと同時に、“今飲んで美味しいもの”や“飲み頃のもの”を薦めてもらうのが良いと思います。

(記 橋本 光央)