50 の手習い
サッポロビール株式会社
東海北陸本部 北陸支社長
林  雅之

 私は東京生まれの東京育ちで会社に入ってからも太平洋側の勤務しかしたことがなく、日本海側で暮らすのはここ金沢が初めてでした。最初の冬にはちょっとカルチャーショックを受けましたが、やがて雪にも慣れ、鰤おこしにも慣れ、この天候がおいしい魚を育んでいるのだと思えば仕方がないという境地にまで達することが出来ました。
しかしながらそうは言っても寒いものは寒いですし、雪は雪ですから何とか雪を楽しもうという思いより、「そうだ、スノースポーツを始めよう。」という無謀な結論に行き着いてしまいました。
学生時代にサーフィンをしており、スキーも経験があることからスノーボードをやろうと思いついたのですが、何せ 40 の手習いどころではなく、50の手習いですから回りからも反対され、家族からも反対をされましたが何とか決意を翻すことなく今シーズンは4回ほど行きました。
最初は体もぼろぼろになりましたが、今ではそこそこ滑れるようにまでなりました。これからも行った土地を愛し、いくつになっても新しいことにチャレンジし続ける、気だけは若いおじさんであり続けようと思います。

 

自然栽培体験記 パート

 水の管理は田植え後からが仕事です。この地区は川より共用のポンプで水を汲み上げており、その時期にあわせて水を枯らさない様に、週末や平日は早朝仕事の前に来て様を見るという日々でした。
もうひとつの仕事が除草です。これも田植えから一ヶ月は毎週行いました。無農薬なので当然人間の手で行いますが、かなりの重労働で昨冬の腰痛の再発恐れながらの作業でした。長い米作の歴史の中で農民を苦しめ続けた雑草から開放した農薬は、画期的な大発明と知りました。
田植えの時期が遅く無肥料でもあり、近隣の稲と比べ常に貧弱に見え、無事に実るのか最後まで心配でしたが、普通に収量があり家族には味が好評で安堵しました。本人は勝手に手塩にかけたつもりですが、水さえあればこれだけの実りをもたらしてくれる稲は何故主食足りえるかよく理解が出来ました。
今回、能登と佐渡が世界農業遺産に登録されました。羽咋市はこれに合わせて自然栽培の米や野菜をブランド化していこうとしています。JA では一般のコシヒカリの3倍の値段で売っていました。驚くとともに自作米も高級米になったような気分でうれしいです。果たしてこういったことが TPP を乗り切る一歩になれるのでしょうか。

(記 冨木 隆夫)