リレー随想

金沢は日本の隠れ家
日本銀行 金沢支店長
味岡 桂三

昨年12月24日付のニューヨーク・タイムズ紙に金沢の紹介記事が掲載されており、見出しに「日本の隠れ家」(secret sanctuary)とあった。同感である。
早朝の兼六園を散歩していると、欧米人に出会い挨拶されることがあるが、彼らの日本に関する知識の豊富さには驚かされる。すなわち、日本の国に興味を抱く外国人のやがてたどり着く先が、この国の魅力(明瞭な四季の移ろい、美しい自然、豊富な海・山の幸、多様な伝統文化など)が凝縮された金沢の街ということであろう。
「えんじょもん」である筆者自身も、金沢の街で暮らし始めて以来、日本の文化の真髄に触れる機会を持ち、改めて「和」の魅力を堪能している。
「茶の湯」では、総合芸術と言われる茶道の一端を知ることができたし、「聞香会」では、風雅の世界に漂う夕べの時を過ごした。「能楽」では、金沢能楽美術館での体験プログラムに参加し、加賀宝生能の幽玄の世界の奥深さを垣間見た。「加賀友禅」では、精密に描かれた糊置きの細部を彩色する体験をし、息を止めるほどの集中力を試された。
また、「座禅」も初体験した。金沢が生んだ鈴木大拙翁の名著「禅学入門」に触発され、曹洞宗の古刹である大乗寺に参禅し、明鏡止水の一時を得た。
魅力に富んだ「隠れ家」探訪でニューヨーカーの後塵を拝する訳にはいかない。

【次回は、西日本電信電話株式会社 森 英俊さんです】

 

マディ 突然の帰国

 東北関東大震災の地震と津波の影響による福島原発の放射能漏れの懸念は海外でも大きく報道されていました。世界各国政府が自国民に日本への旅行を延期するよう通告する等の措置を取っており、また先日は国際ロータリー本部(アメリカ合衆国シカゴ)から、日本国内に滞在している全ての留学生は国外へ避難することを推奨する通達が出されました。
日本全体を統括する国際青少年交換委員会「RIJYEC」もこの通達に従い、学生本人ならびに本国の両親の意思によって早期帰国の要請があった場合には、これに従うようにとの指示が各受入ロータリークラブに伝えられました。マディも本国のご両親と相談し、3月18日の朝、交換留学プログラムを中断し早期帰国する決断をいたしました。翌朝には小松空港から旅立つことになりました。
突然のことでお世話になった金沢ロータリークラブの皆様にご挨拶ができなかったことを気にしておりました。そして留学を全うできなかったことが残念そうでした。ただ本国のご両親のお気持ちも察して今回の判断を理解してあげたいと思います。マディの未来が幸多からんことを心よりお祈りしたいと思います。

(記 中村 哲郎)

 

法人ロータリー日本財団の認定と税制上の優遇措置に関するお知らせ

 このたび、平成22年12月24日に一般財団法人ロータリー日本財団が公益財団法人として認定を受け、平成23年4月1日より税制上の優遇措置の対象となります。対象となるのは年次寄付とポリオ・プラスをはじめとする使途指定寄付であり、恒久基金への寄付につきましては現在調査中であり、現時点では対象外となります。詳しくは「ロータリーの友」3月号40ページに記載されております。皆様方のご厚意をお待ち申し上げております。