リレー随想

「金沢に赴任してから」
清水建設株式会社 執行役員北陸支店長
今木 繁行

昨年4月に金沢に赴任し、初めての冬を過ごしております。雪道での通勤や夜中の雷も何とかやっと慣れてきたところです。ご当地はお酒も海の幸もたいへん美味しく、単身赴任の小生は恥ずかしながらこの1年足らずで5kgも太ってしまいました。
寒くなる以前の休日は、おもにゴルフ等をして過ごしておりましたが、冬場のこの時期は、夏の「ゆかた会」以来ご無沙汰している「小唄」の稽古に、3月の発表会を目指して励もうかと思っています。小唄は代々弊社の支店長職の人間が社命(?)として引き継いでいるものです。お茶屋街もあり、歴史のある街金沢に転勤した機会を生かして、支店の6名の社員と共に、「花菱は満朝」師匠のもと稽古を重ねております。転勤族のロータリアンの方も、この機会に興味のある方はお声掛け頂ければと思います。
つらつらと金沢に来てからの身の回り話をさせていただきましたが、最後に少しだけ会社のPRをさせて頂きます。今年創業207年を迎える弊社創業者の出身が富山市小羽であり、発祥の地は清水公園として地域の憩いの場所となっております。また金沢に支店を構えて92年を迎えました。これからも創業時の心得である「出入り大工」の精神で、地域の皆さまのご要望にお応えしていきたいと考えております。

【次回は、第一生命保険株式会社 池本 昌永さんです】

 

歳時記
きくシリーズ No.2

金沢には三茶屋街があるのは皆さんご存知のことと思います。今回は、金沢の御茶屋さんの文化に少しふれてみようと思います。
三味線や太鼓、笛等の生バンド、舞台で踊られる艶やかな姿。そこで少しその御座付(おざつき)で使われる曲のジャンルについて調べてみました。

長唄(ながうた)は義太夫節などの「語り物」とは異なり、唄を中心とした「歌い物」です。演奏は基本的に複数人の唄と三味線で成り立っているが、曲目によっては小鼓、大鼓、太鼓、笛などで構成される「お囃子」が付くこともあります。

端唄(はうた)とは長唄との対語であり、端唄には二義的意味合いがあり江戸端唄の前身である場合と、短い上方唄(地唄)をさす場合があります。

小唄(こうた)は端唄の撥を使うのに対して爪弾きです。発生経過から節回しに大きな差異はないようです。爪弾きとは言え、正式には爪は糸に当ててはならず、爪の横の指の端で弾きます。演奏時間はおよそ一分半から、長くとも五分以内で、端唄は鳴り物が入りますが、小唄は三味線のみでの演唱します。

歌澤(うたざわ)と端唄との違いはサラリとうたう端唄に対してこってりとうたう点にあり、それによって楽曲に渋みが加味される。節回しもより細かく、前奏がある。その結果、曲の長さも倍近くある。

清元(きよもと)は豊後節系浄瑠璃として遅く成立した流派で、歌舞伎の伴奏音楽として徐々に発達し、江戸後期にはその瀟洒な節まわしが世人に広く愛好されたものです。

音楽的な特徴としては、豊後節系統の叙情的で艶っぽい風情を濃厚なものとし、これに長唄の影響を受けて歌うような声ののびやかさや節まわしのおもしろさを加味したものであり、きわめて瀟洒かつ粋で軽妙な音楽であり、特にその高音を多用する語りは江戸浄瑠璃の精髄を示すものとしてひろく愛されました。

(記:倉本和明、参考文献:『ウィキペディア』)

 

被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復興がなされることをお祈り申し上げます。